運送会社必読!『物流KPIの指標』を知ろう!
運送会社においては日々さまざまな問題が発生します。
一般的な貨物事業者での流れを思いっきりざっくばらんに見てみると
- (1)荷主のところで荷物をトラックに積み込みする
- (2)一時的に自社倉庫に保管する
- (3)届け先へ輸送する
上記のプロセスになりますがそのプロセスのなかで待機時間などのムダが発生したり事故が起きるリスクも常に存在します。
『物流KPI』は業務のプロセスのなかでそれぞれの部分を指標化して問題がある部分を洗い出し
問題点を改善して経営を円滑化していくことに意義があります。
運送会社のほとんどが中小企業ですがあまりこの物流KPIを意識して取り組んでいる事業所は少ないのでは無いでしょうか?
完全に導入することは難しいかもしれませんが自社で分かりやすい項目を部分部分指標化して目に見えやすくしていき最終的に全体の流れが見えるようになれば良いと思います。
配送について把握しておくべき基本的な指標
- 実車率
- 稼働率
- 積載率
- 運行効率
などがあり
上記4つについては運送会社を経営していくうえで基本的な指標ですので一番最初に把握すべき指標です。
その他に指標化すべきものとしては配送先の数や日次収支。
納品先での待機時間なども輸配送に関する指標として少しずつ把握していくと良いでしょうね。
実車率とは?
実車率とはトラックが荷物を運搬した距離にたいして
トラックを走行させた総距離で割ることによって計算されます。
計算式でいうと
実車率(%)=積載時の走行距離÷総走行距離×100
たとえば
自社から貨物を積んで400km離れた荷卸し場所へ運搬して
荷卸し後はそのまま自社へ帰庫する場合
400km(積載走行)÷800km(総走行距離)ですから
実車率は50%ということになります。
車両によっても変わってきますがおおむね70%以上を目標にしていくのが望ましいです。
稼働率とは?
トラックの稼働率については意識している事業者さまも多いです。
稼働率が低ければ確実に売り上げは右肩下がりになります。
この稼働率については
稼働率(%)=
トラックの稼働時間÷年間総時間×100
たとえば年間250日・毎日8時間稼働した場合
合計2,000時間の稼働を、年間の総時間8,760時間で割るとこのトラックの稼働率は22.8%になります。
この稼働率も工夫して70%前後までは高めるべきですね。
積載率とは?
積載率は荷主側も意識してくる指標で
トラックが効率的に積載できているかを把握するための指標です。
積載効率が悪く、積載量の違うトラックを複数所有している場合にはどのトラックで運搬すべきかを考える必要が出てくるでしょう。
積載率の指標の出し方としては
積載率=実際の積載トン数÷最大積載トン数×100
たとえば2トンで足りるものを
4トントラックで運搬した場合
積載率は50%になり非常に効率が悪くなりますよ。
例えば引っ越しトラックなどは顧客は
2トントラックや4トントラックと言われてもピンとこないため,とりあえず大きめの4トントラックを指定してきて
実際には積荷が2トンにも満たないのに
4トントラックで運搬するというケースがあったりします。
逆に頻繁に発注をしてくる荷主企業が運賃を抑えたいのでギリギリまで積ませようとして過積載になってしまうということがあります。
ですので顧客に言われるがままではなく運送会社側もしっかり裁量を発揮していくべきだと思います。
運行効率とは?
下記の3つの指標
- 実車率
- 稼働率
- 積載率
を計算してそれぞれの指標が出て始めて運行効率が把握できます。
計算式としては、
運行効率=実車率×稼働率×積載率
たとえば実車率70%、稼働率70%、積載率70%のトラックがあった場合
実車率(70%)×稼働率(70%)×積載率(70%)=34.3%
になります。
できればこの運行効率は40%以上を目標に改善していくと良いですね^^