『路線便』『路線出荷』とは
各企業が、それぞれ配送を行うためには、さまざまな方法が考えられます。
トラックを利用してルート配送やチャーター便、鉄道を使って貨物列車、その他航空便や船便などです。
トラックでの運送がもっとも一般的ですが、その中でも「路線便を使う」「路線出荷する」とはどんな運送方法なのかを簡単に説明いたします。 トラックでの運送には大きく分けて「一般貨物運送事業」と「特別積合せ事業=いわゆる路線事業」があります。 さらに新たな輸送手段として『共同配送』という概念も出てきました。 一般貨物運送事業とは「貸切便」や同じ意味で使われる「チャーター便」の事です。 貸切便とは、特定の荷主から荷物を受取り、積み替えなどせずに届先まで配達する運行で、引越しや、ルート配送なども貸切便の中に入ります。
貸切便なら時間指定での配送が可能で、しかも積替えを行わず運行するので破損事故が少ないのが特徴です。
貸切便での料金設定は、トラック一台あたり○○円なのでトラックの荷台いっぱいに荷物を積もうが、トラックの荷台が空いていようが同じ料金になります。
貸切便でちょうどトラックの荷台いっぱいになれば、その荷物の1つあたりの運送費は最も効率的になります。
『路線便』とは
路線便
路線便では、荷物は何度もそれぞれの担当地域の車輌に積み替えが行われ相手先まで届けられるということです。
路線便は、市バスや都バスのような、路線バスのようなものです。
逆に大人数で観光バスなどを貸切でチャーターしたりして直接目的地まで行くとか、
タクシーみたいに何時でもどこでも必要な時に呼んで、スグに目的に行ってくれるなどが、
「貸切便」「チャーター便」という見方が出来ると思います。
定員いっぱいの50名でバスをチャーターすれば、一人あたりの料金は安くなりますし、目的地まで乗り換えなしで到着します。
全国組織ではない路線便の会社は、自社がカバーをしていない地域の会社と提携をすることで、全国への配送を可能にしているようです。 したがって路線便を運行している会社のターミナルは全国にありますので、全地域に配送可能です。 まとめると『路線便』は貸切便ほど荷物がまとまらない時に広域へ荷物を運ぶのに適した運送方法になります。 ただし路線便ならではのデメリットがあります。そのデメリットをクリアし、メリットだけを追求したのが『共同配送』です。
『路線出荷』とは
では「特別積み合せ事業」いわゆる「路線便を使う」「路線出荷」とは何なのか。 簡単にいえば、「路線会社」を利用して運送を行うことです。 「路線会社」とは代表的なところで、ヤマト運輸さん、佐川急便さん、西濃運輸さん、名鉄運輸さん等があります。
次に「路線便」とは、どんな方法で運送されているのかを簡単に説明いたします。 まず、荷物は直接依頼者から集荷したり、依頼者が直接持ち込みするなどして各事業社の営業所に運ばれます。
ここから複数の営業所を統轄する、トラックターミナルまで輸送され、発送先ごとに荷物が振り分けられます。
振り分けられた荷物は方面別に集約され、配送先に近い区域のトラックターミナルまで運搬されます。
配送先に近い区域のトラックターミナルに荷物が到着すると、配送先を管轄する営業所ごとに荷物を振り分けて、各営業所まで運ばれます。
配達を担当する営業所では、届け先の住所や希望する時間帯によって荷物を小分けし、相手先まで届けます。 難しくなってしまいましたが、路線便の動きをわれわれの旅行に例えると分り易くなります。
一人もしくは2.3人で見知らぬ人と同乗する電車やバスを何度も乗り継いで目的地まで行くのが『路線便』です。
時間もあらかじめ決められた時間の電車やバスとなってしまい、何度も乗り換えするので目的地に到着するまでが大変です。
路線便のメリット・デメリット
小口貨物でも物量に応じた料金設定が可能
全国に配送網を巡らせており、全地域に配送可能
メリット
デメリット
何度も積み替えを行うため、荷物の痛みが多い
トラック荷台いっぱいにした貸切便に比べ、荷物一つあたりの運送費は割高である
荷物が紛失したり、行方不明になったり、時間通りに配達されない時がある