人手不足の原因と影響

増え続ける求人媒体と求人広告費

上の画像媒体は、皆さんも一度は見られたことのある媒体なのではないでしょうか?

業種や職種に特化することにより、一部の求人だけを大量に扱う媒体が登場し、結果として、ひとつの媒体が取り扱う求職者の数は減ってしまっている現状があります。

求人市場自体が、右肩下がりの中、

これだけ多くの媒体が増えてしまうと、個々の良し悪しというレベルではなく、そもそも限られた求職者をお互いに分かち合ってしまう、痛みわけの状態になってしまっていると言わざるを得ません。

このような状態では、たとえ同じ金額で全く同じことをしようとも、以前と同じだけの応募を媒体経由で獲得してくるのは、難しいという現状も、自ずと見えてくることでしょう。

「644万⼈」

これが何の数字かお分かりでしょうか?

答えは「2030年の⽇本で不⾜する⼈⼿」の数です。

総務省統計局の調査によると、2019年の時点で⽣産年齢⼈⼝7,510万⼈に占める就業者⼈⼝は6,724万⼈。既に9割の⼈は何らかの仕事に就いているという状況です。この状況は今後も変わらず、「少ない⼈材を多くの企業が取り合う」という競争がより激化していきます。

人手不足が企業に与える影響

1.労働基準法に抵触するリスクがある

2.新規採用のコストが増える

3.新規事業への着手や顧客ニーズの対応が困難になる

1)労働基準法に抵触するリスクがある

人手不足によって1人当たりの業務負荷が増え、残業や休日出勤が増えると、労働基準法に抵触するリスクが生じます。

人手不足によって労働基準法に抵触する可能性があるケースの例は以下の通りです。

労使協定(36協定)を結ばずに残業や法定休日の出勤を依頼する

労使協定(36協定)は結んでいるものの、上限以上の残業を依頼する

8時間以上の労働時間にもかかわらず、休憩時間は60分未満

また、一人当たりの業務量が増える為に他の社員から不満が出て離職を誘発する事も多い。

これらの状況を防ぐために、業務量に見合った人員や体制整備が必要です。

2)新規採用のコストが増える

人手不足が長期化すると、頻繁に人材募集を行ったり長期的に採用活動を行ったりするため、新規採用のコストが増えやすくなります。採用コストとは、人材を採用するためにかかるコストのことです。

また、採用コストは以下のとおり「外部コスト」「内部コスト」に分けられます。

外部コスト・・・広告料や人材紹介料など外部の企業に支払う費用
内部コスト・・・面接や書類選考などを担当する自社社員の人件費や交通費

それぞれのコストを洗い出して、1人採用するためにいくらかかっているのか、費用を確認しましょう。

3新規事業への着手や顧客ニーズの対応が困難になる

社員数300人以上の企業の新事業担当者が感じている組織マネジメントの課題は「新規事業開発を担う人材の確保が困難」がもっとも多いという結果でした。

2017年4月21日に厚生労働省が発表した中小企業が対象の2017年版「中小企業白書」でも新事業展開に成功していない企業の自社の強みを活用する上での課題は

「人材が不足している」と答えた割合が最多でした。

新規事業が成功するかどうかは、企業規模に関わらず、事業化の企画から立案、推進までできる人材がいるかどうかが大きく影響することがわかります。また2017年版「中小企業白書」では、中小企業が人材確保の必要性を感じる理由として「多様化する顧客ニーズへの対応」を挙げました。人手不足により、顧客のさまざまなニーズへの対応が不十分と考えていると推測できます。

人手不足は、新事業への挑戦を阻むだけでなく、きめ細かい顧客対応を困難にさせると考えられます。

人手不足が社員に与える3つの影響

1.職場環境が悪化する

2.労働意欲が低下する

3.能力育成の時間が減る

1.職場環境が悪化する

人手不足は、不足しているリソースを補うために社員に負担がかかることが多いため、職場の雰囲気や労働環境が悪化しやすくなります。人手不足によって社員にかかる負担の例として、以下のようなケースがあります。

・残業時間の増加

・休暇の減少

・キャリアプランの不透明化

・ストレスによる社員の人間関係悪化

・労働災害リスクが高まる

2.労働意欲が低下する

2019年9月27日に発表した厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」によると、「人手不足が職場環境に及ぼす影響」について問われた際に、「従業員の働きがいや意欲の低下」と答えた社員の割合が約80%という結果でした。

一方、企業は約60%と社員より認識が低いという結果になっていました。人手不足による労働意欲の低下についての認識は労使間でギャップが大きいといえます。

人手不足は、企業側が気づかない間に社員の労働意欲を下げている可能性があります。企業は、社員のストレス緩和と生産性向上のために人手不足解消に向けた取り組みが必要です。

3.能力育成の時間が減る

人手不足によって社員が多忙になることで、社員の学ぶ機会や能力育成時間も減少します。

2018年9月28日に発表した厚生労働省の「平成30年版 労働経済の分析」によると「自己啓発実施の課題」として「仕事が忙しくて自己啓発を行う時間がない」と答えた人の割合が高いことが分かっています。向上心があっても、多すぎる業務量によって学ぶ時間が確保できない状況だと考えられます。

社員が自己啓発をして能力を高めることは自社の利益にも直結します。社員の成長と事業成長のために、社員の能力育成の時間を確保する必要性があるといえます。

日本企業が人手不足である4つの原因

1.少子高齢化による生産年齢人口の減少

2.雇用形態やはたらき方のニーズが多様化

3.企業と求職者のニーズが合わずミスマッチが発生している

4.顧客ニーズの多様化にともない業務が複雑化している

1.少子高齢化による生産年齢人口の減少

人手不足の原因の1つ目は、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。

日本の生産年齢人口は減り続けており、2017年から2030年にかけて767万人減少すると試算されています。それに伴い、2030年の労働需要7,073万人に対し、労働供給は6,429万人と予測されています。つまり、2030年には644万人の労働者が足りません。

2.雇用形態やはたらき方のニーズが多様化

2021年11月8日に厚生労働省が発表した「令和2年転職者の実態調査の概況」によると転職者の直前の勤め先の通算勤務期間は「2年以上5年未満」が26.9%ともっとも高くなっています。またこの傾向は20〜40代に多くみられる傾向です。

20~40代の3人に1人は2~5年で転職していることが分かります。雇用形態や働き方のニーズが多様化し、転職を考える人が増えている傾向にあります。

3.新規の人材獲得が困難になっている

2020年1月に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の「人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査」では、雇用人員(人手)が不足している理由として「新規の人材獲得が困難になっている」と答えた割合が最多でした。

4.顧客ニーズの多様化にともない業務が複雑化している

高度経済成長期では、大量生産・大量消費でしたが、日本経済の成長とともに、「みんなと同じもの」から「人と違うもの」へとニーズが変化しました。そのため、これまで行われていた所得、職業、学歴などの定量的データだけでは顧客のニーズを捉えにくくなりました。

さらにこれまでのモノを消費して生活を豊かにする消費から、楽しさ・安心安全・健康・他者との共感など、感覚的な欲求や趣味嗜好を満たす消費に変化し、顧客のニーズの多様化が進んでいます。

またIT技術やインターネットの普及により、消費者はリアルだけではなくオンラインで好きな商品やサービスをいつでも購入することができるようになりました。そのため企業は、実店舗だけではなくウェブサイトやアプリなど、さまざまなチャネルから消費者へのアプローチ・顧客対応が求められています。このように企業は、多様化した顧客ニーズに対し、適切な手段で応える必要があります。

一方、業務が複雑化し、人手不足につながりやすくなっています。

人手不足の着手すべき対処法4選

どのようにしたら人手不足が解消できるでしょうか。着手すべき対処法としてこちらの4つを紹介します。

1.職場環境の改善

2.DXで業務効率化

3.求人像を再検討する

4.再雇用を歓迎する

5.派遣、アウトソーシングを検討

1.職場環境の改善

人手不足の原因の多くは、離職率の高さにあるということがわかりました。そのため、人手不足を根本的に解決するためには、長く働き続けられる職場環境が大切です。職場環境の改善で特に意識したい点は「誰もが働きやすい環境づくり」です。

「誰もが働きやすい環境」とは、働き方の選択肢が多い、福利厚生が充実している、社員のスキルアップを支援しているなどが考えられます。例えばフルタイムだけではなく、時短勤務やフレックスタイム制などの導入が考えられます。

2.DXで業務効率化

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで業務を効率化させることができます。

DX化は導入にコストがかかったり、使いこなすまでに時間と労力がかかったりと、導入してすぐに効果が現れるわけではありません。

しかし適切にDX化ができれば、将来的に業務効率化を実現し、労力や工数が削減できます。

3.求人像を再検討する

2018年10月23日に公表されたパーソル総合研究所と中央大学が共同研究した「労働市場の未来推計 2030」によると、25~29歳女性の労働力率88.0%が45~49歳まで維持された場合、102万人の労働力が確保できるとされています。

性別や労働時間で採用要件を設けず、本当に自社にとって必要な人材はどんなスキルを持った人なのかなど、採用要件を見直しましょう。

他にもネジ締めなど力が必要な業務に機械などの設備を導入することで女性や高齢者に任せられる仕事はないか検討したり、業務を細分化して時短勤務でも業務ができるようにしたりするなどの見直しが大切です。

4.再雇用を歓迎する

再雇用する社員は自社での業務経験があるため、即戦力としての活躍が期待できます。また企業風土や組織体制、制度、一緒に働く社員についても把握しているため、採用後にミスマッチが起こることは少ないでしょう。

退職した社員を再雇用するシステムは外資系企業では珍しくありません。再雇用受け入れは人手不足を補う解決策になります。

人手不足の対策に外部企業の活用を検討しよう

自社で施策を行っても人手不足が解消できない場合は、外部企業の支援を受けるのも一つの方法です。

人材派遣

アウトソーシング

人材紹介

【人材派遣】必要な時に必要なスキルを持った人材を活用する

人材派遣は、必要な時に必要なスキルを持つ人材を受け入れることができます。人材派遣の活用は、人材確保のコストや工数が軽減するうえ、自社で雇用しないため労務管理の負担などもありません。
「繁忙期に人員補充がしたい」「急な退職や育児休業の社員の代替が必要」というシーンで活用しましょう。

【人材紹介】採用業務の負荷軽減は人材紹介を活用する

人材紹介は企業に求職者を紹介し、採用業務を支援するサービスです。求人票の作成支援から求職者情報の整理、条件交渉まで自社の代わりに行います。

採用活動の負担軽減と効率化が大きなメリットといえます。採用業務の負担は軽減しながら直接雇用する人材を採用したい場合にぴったりです。

【アウトソーシング】自社業務の一部を外部に委託する

アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部に委託することを指します。事務業務を委託する「BPO」や情報システム業務を委託する「ITO」などいくつか種類があり、自社に合った方法を選択します。

業務の一部を外部の専門企業に委託することで、経営資源の選択と集中や外部企業の知見やノウハウを活かして品質向上につなげられます。

社内体制が整っていない企業や、人材の採用や管理などの手間を抑えたい企業に適しています。

社員・業務委託・派遣それぞれのコスト比較

人材派遣・人材紹介・アウトソーシングでは、アウトソーシングが圧倒的に経費削減効果が高い

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業務内容の一部はこちらで紹介しております。

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